1. ある日…
ヨウコ
「ミレーナちゃんよ、
スーパー付いてきてくれるかい?」
ミレーナちゃん
「うん、みれーな、じてんしゃ!」
ヨウコ
「あいよ!」
2. しかし…
ミレーナちゃん
「まま、てて、ちめたいの」
*お手々が冷たいの
ヨウコ
「自転車でお出かけするには
寒すぎるわなぁ」
こうして、5mおきに
立ち止まるハメに
3. ヨウコ
「冬は自転車やめとこな
寒すぎるって、わかったやろ
せやろ?」
ミレーナちゃん
「うん」
4. なのでヨウコはこう考えました…
「自転車、ガレージに
しもた方がええやろなぁ
ミレーナちゃんが
家の玄関で見てしもたら
また乗りたいって言い出すやろし!」
5. ジョバちゃん
「ほな、倉庫に自転車
置きに行こか」
ミレーナちゃん
「…」
6. ジョバちゃん
「え、泣いとんの?!」
ミレーナちゃん
「みれーな…
ないてないの…」
ジョバちゃん
「え、自転車、
隠した思てしもたんか?!」
7. ジョバちゃん
「冬が終わったら
また自転車に乗れるさかいに!!!」
ミレーナちゃん
「おおぉぅ!」
8. そして家で…
ヨウコ
「なんやて?!
自転車を倉庫に置いたって?!
ガレージに置いてって言うたやんか!!!」
ジョバちゃん
「どないしたん?」
9. なんでかっと言うと、
いつも倉庫には…
ミレーナちゃん
「まま、みてなの」
その先には
車のベビーシートや
おもちゃのベビーカーがあります
ヨウコ
「せやな
あんさんのんやってんけどな
もう、あんさん、大きなりはったやろ
せやからもう必要ないんよ」
10. こうして、ミレーナちゃんは
倉庫はもう使わないものを置く場所、
墓場のようなところだと
思ったのでした
11. だからあの時、
ミレーナちゃんは
こう思ったに違いありません…
ジョバちゃん
「アモーレ、あんたの自転車に
さいなら言いなさいや!」
ミレーナちゃん
「あたちのじてんしゃ、
あたちのだったのに!!!」